オセロのX打ちの罠と定石の狙い
公開 更新

スマートフォンでAIとオセロの対戦をしていると、序盤は互角に進んでいたはずなのに、中盤から急激に打てるマスが狭まり、思わぬ局面で隅を取られて負けてしまうことがあります。その原因の多くは、不用意な「X打ち」に追い込まれていることにあります。四隅の斜め内側に位置するXマスへ打たされる展開を防ぐには、序盤の定石が持つ本来の意図を正しく把握しておく必要があります。
この記事では、中級者がAI戦で勝ち越すために知っておきたい、定石の型(兎・虎・牛など)の組み立てと、X打ちに追い込まれないための中盤の基礎理論を分かりやすく解説します。
X打ちがもたらす致命的なリスク
リバーシの盤面において、四隅(a1・h1・a8・h8)は一度置いた石が絶対に裏返されない最も強力な拠点です。その隅に対して斜めに接するマスであるb2・g2・b7・g7は「X打ちのマス(Xマス)」と呼ばれ、序盤や中盤にここへ打つ行為は非常に危険とされています。
Xマスに自分の石を置くと、斜めのラインを通じて相手に隅を取る着手を与えやすくなります。相手に隅を渡してしまうと、その隅を足がかりにして外周の安定した石(確定石)を次々と確保されてしまい、大差をつけられる原因になります。
多くの初心者が自分からXマスに打ってしまうのに対し、中級者がAIに負けるときは「他のマスに打つ場所がなくなり、やむを得ずXマスに打たされる」というパターンがほとんどです。この強制的な着手を回避するには、序盤から自分の選択肢を広く保ち、相手の手番を制限する工夫が欠かせません。
| 名称 | 代表的なマス | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| 隅 | a1, h1, a8, h8 | 一度取ると絶対に裏返されない最重要マス。 |
| Xマス | b2, g2, b7, g7 | 隅に斜めで接する。打つと相手に隅を渡しやすいため要注意。 |
| Cマス | a2, b1 など辺の隅隣 | 辺上で隅に接する。序盤の着手は慎重な判断が必要。 |

定石の型と狙い:兎・虎・牛の意図を読み解く
リバーシには、長年の研究によって確立された「定石」と呼ばれる決まった手順が存在します。動物の名前が付けられた定石は、単に形を暗記するためだけのものではなく、相手に隅を与えず、自分の中央の石を安定させるための明確な意図が込められています。
図1の局面を文字で見る
黒の石(5):e3 d4 c5 d5 f5
白の石(4):e4 f4 e5 d6
手番:白
直前の一手:e3
盤面(1 段目から):......../......../....B.../...BWW../..BBWB../...W..../......../........
この図では、黒の初手f5から始まる代表的な定石の一つである「兎定石」の5手目e3まで進んだ局面を示しています。この手順では、黒と白が中央のマスに石を集めながら展開しており、外周の危険なマスを避けて着手を進めていることが分かります。このように中央を厚く構えることで、中盤以降に相手へ安全な手を渡さず、自分が選択できる手を多く維持する効果が生まれます。
主な定石には、それぞれ以下のような特徴と手順の手戻りがあります。
- 兎(うさぎ):f5 d6 c5 f4 e3 と進む型。中央の密集度を高め、双方にとって手堅い攻防が続きやすい基本形です。
- 虎(とら):f5 d6 c3 d3 c4 と進む型。方向を変えて相手の形を崩しにかかる積極的な展開を目指します。
- 牛(うし):f5 f6 e6 f4 e3 と進む型。縦並びの展開から中央を固め、落ち着いた陣形を作ります。
これらの定石を活用する最大の目的は、不用意に盤面の外側へ石を露出させないことです。外側に石が広がるほど相手に挟まれやすくなり、結果として後からXマスへ誘導される原因になります。
アプリで遊ぶ
読んだ考え方は、実際に打って確かめるのが近道です。端末の中で考える AI と、電波が無くても最後まで対局できます。
中盤の石数制限と終盤の偶数理論
定石の手順を終えた中盤戦では、「裏返す石の数を少なく保つ」という考え方が極めて重要になります。序盤や中盤に石を大量に返してしまうと、自分の石が盤面全体に露出してしまい、相手に多くの足場(挟める候補)を提供することになります。これを開放度が高い状態と呼びます。
図2の局面を文字で見る
黒の石(5):d3 e3 d4 e4 c5
白の石(7):f4 d5 e5 f5 c6 d6 f6
手番:黒
候補の手:d7 e6 e7 g5
危ないマス:b7
盤面(1 段目から):......../......../...BB.../...BBW../..BWWW../..WW.W../......../........
この図では、黒の手番においてXマスであるb2やg2、b7への着手が危険であることを示しています。中央の開放度が低いマス(内部の石だけを返す手)を選ぶことができれば、相手の打てる場所を徐々に奪い、相手をこうした危険なXマスへの着手へ追い込むことが可能になります。
そして終盤戦に入った段階で威力を発揮するのが「偶数理論」です。盤面の空きマスがいくつかの区画に分かれたとき、以下のような原則に基づいて着手を選択します。
- 奇数空きの区画:空きマスが奇数の区画には自分から先に打ちます。相手が応手した後に最後の一手を自分が打てるため、その区画の主導権を握りやすくなります。
- 偶数空きの区画:空きマスが偶数の区画には自分から先に入らないのが基本です。相手に先に打たせれば、最後の手を自分が回収できます。
中盤で相手の着手を減らしてX打ちを強要し、終盤で偶数理論を当てはめて最後の手を回収していく流れこそが、AIに勝ち越すための盤石な戦略となります。
スマートフォンアプリで実戦力を鍛える習慣

頭で理屈を理解しても、実際の盤面でX打ちの罠を回避し、偶数理論を成立させるには実戦でのトレーニングが欠かせません。そこでおすすめなのが、手軽にスマートフォンの対局アプリを活用して振り返りを行う学習法です。
例えば『特許戦争』(リバーシ 80日間世界一周の特許戦争)は、App Store と Google Play で配信されているリバーシアプリです。本作のAIは端末の中で思考するため、通信環境がない場所でもAIとの対局や全5章の旅モードを最後までオフラインで遊ぶことができます。
対局終了後には、棋譜を巻き戻してAIの講評を無料で確認することができます。自分がどの手番で不要な石を返しすぎてしまったのか、どの局面で相手にX打ちを強要できたのかを客観的に見直すことで、中級者から上級者へのステップアップがぐっと近づきます。
定石の手順で序盤を安定させ、中盤は静かに石数を抑え、終盤は区画のマス数を数えて打つ。この一連の思考を日々の対戦で意識しながら、AIに勝ち越す実力を身につけていきましょう。
よくある質問
序盤にX打ちをしてはいけないのはなぜですか?
相手に四隅を取られる原因になるためです。Xマスは隅に斜めで接しているため、序盤や中盤に打つと相手に隅を渡す足場を与えてしまいます。
中盤で裏返す石を少なく抑えるべきなのはなぜですか?
相手の打てる場所を減らすためです。石を多く返すと外周に自分の石が露出して相手の選択肢が増え、自分が危険なマスに追い込まれやすくなります。
終盤の偶数理論とはどのような考え方ですか?
奇数の空き区画には先に入り、偶数の区画には先に入らない考え方です。各区画の最後の一手を自分が打つことで、石数を有利に確定させやすくなります。
『特許戦争』のAI対戦はオフラインでも遊べますか?
オフラインでも最後まで遊べます。AIは端末内部で思考するため、電波が届かない場所でも対局や旅のモードを楽しむことが可能です。
アプリで遊ぶ
スチームパンクの世界を巡るリバーシのアプリ『特許戦争』。AI との対局と旅は無料で始められます。